🧬 菌類がいなければ陸上進出は不可能だった理由 ― 植物と菌の“共犯関係”
🌍 はじめに
前回の記事で見たように、キノコ(菌類)は 森を分解し、地球の物質循環を救った存在でした。
しかし菌類の役割はそれだけではありません。 そもそも――
植物は、菌類なしに陸に上がれなかった。
このページでは、 「なぜ菌類がいなければ陸上進出が成立しなかったのか」 を、進化史と物理条件から整理します。
🪨 陸上は“地獄のフィールド”
🌞 陸のメリットと致命的欠陥
初期の藻類が陸に出ようとした理由は明確です。
- 光が強い
- 競争相手がいない
- CO₂が直接使える
しかし同時に、陸上は過酷でした。
- 水がない
- 栄養が溶けていない
- 岩石は硬い
水中と違い、栄養は「自力で掘り出す」必要があった
🌱 初期植物の決定的弱点
🧬 根が未完成
初期の陸上植物は、
- 根が浅い
- 吸収面積が小さい
- ミネラルを取り込めない
特に致命的だったのが、
- リン
- 窒素
- 微量元素
これらは岩石中に閉じ込められているため、 植物単独では手に入りません。
🍄 菌類という“外付け臓器”
🤝 菌根共生の誕生
ここで登場するのが菌類です。
- 菌糸が岩の隙間に侵入
- 有機酸で鉱物を溶かす
- ミネラルを回収
それを植物に渡す代わりに、
- 光合成産物(糖)を受け取る
菌類は植物の「外部消化+吸収器官」になった
この関係を 菌根共生 と呼びます。
🌍 事実としての証拠
🧪 最初から一緒だった
化石・分子系統の研究から、
- 最初期の陸上植物に菌根の痕跡
- 現生植物の約9割が菌根を持つ
という事実が確認されています。
菌根共生は「後から付いたオプション」ではない
🌳 スケールが変わる瞬間
🌲 森が成立できた理由
菌類がいたことで、
- 根は深く伸びられる
- 栄養制限が緩和される
- 巨大化が可能になる
これにより、
- 木が生まれ
- 森が広がり
- 土壌が形成され
という連鎖が起きました。
❄️ 気候への波及
🌬️ 森+菌=気候操作
菌類は、
- 風化を加速
- CO₂固定を補助
- 炭素循環を安定化
植物と組むことで、 気候を動かす力を持つ存在になったのです。
🧠 菌類の本当の立ち位置
🎭 主役ではないが不可欠
- 花のように目立たない
- 動物のように動かない
- しかし不在では成立しない
菌類を抜いた進化史は、成立しない
🧩 まとめ
- 陸上は栄養獲得が最大の障壁だった
- 植物単独では岩石から栄養を取れない
- 菌類は鉱物分解と吸収を担当
- 菌根共生は陸上進出の前提条件
- 森・土壌・気候はこの共犯関係の副産物
植物が陸に立てたのは、 菌類に肩を貸してもらったからである。