🌋ペルム紀 - 生命史最大の分岐点
🧭 はじめに
ペルム紀は古生代の最後を飾る時代であり、同時に地球史上最大の大量絶滅によって次の時代(中生代)への扉を閉じた、極めて特異な時代です。 この記事では、なぜ石炭紀とペルム紀が分けられたのかという地質学的・生物学的な理由を軸に、ペルム紀の環境変化、生態系、そして「ペルム紀末の大絶滅」までを一貫した流れとして整理します。
🌍 ペルム紀の基本情報
- 時代区分:古生代・最終紀
- 年代:約2億9900万年前〜2億5200万年前
- 期間:約4700万年
- 次の時代:中生代(最初は三畳紀)
「ペルム紀(Permian)」の名前は、ロシアのペルミ地方で特徴的な地層が研究されたことに由来します。
🔍 なぜ石炭紀とペルム紀を分けたのか
結論から言うと、地球環境と生物相の「方向性」が明確に変わったためです。
🌿 石炭紀の世界(直前の時代)
- 高温多湿
- 広大な湿地林(巨大シダ・ヒカゲノカズラ類)
- 高酸素濃度
- 昆虫・両生類の繁栄
- 石炭の大量形成
🔥 ペルム紀への転換点
ペルム紀に入ると、以下の変化が一気に進みます。
① 気候の乾燥化・寒冷化
- 超大陸パンゲアの完成
- 内陸部が極端に乾燥
- 季節差が激しい大陸性気候へ
② 湿地林の崩壊
- 石炭紀型の森林生態系が維持できなくなる
- 石炭形成がほぼ停止
③ 生物の主役交代
- 両生類の衰退
- 羊膜卵をもつ爬虫類(単弓類・爬虫類型爬虫類)の台頭
「水辺に縛られる生物」から「乾燥した陸上を完全に支配できる生物」への転換が、ペルム紀の本質です。
👉 つまり、石炭紀=湿潤・森林の時代、ペルム紀=乾燥・陸上適応の時代であり、連続ではなく「環境の相転移」が起きています。
🦴 ペルム紀の生物相
🐊 陸上生態系
-
単弓類(哺乳類型爬虫類)
- ディメトロドン(背中の帆が有名)
- のちの哺乳類の祖先系統
-
真正爬虫類
- より乾燥耐性の高いグループ
恐竜はまだ存在していません。ペルム紀の陸上支配者は「恐竜以前の爬虫類」です。
🌊 海洋生態系
- 三葉虫(すでに衰退期)
- 腕足類・サンゴ・ウミユリ類
- 古生代型の海洋生態系が完成形に近づく
🌋 ペルム紀末の大量絶滅(P–T境界)
📉 規模
- 海洋生物の約90〜96%
- 陸上脊椎動物の約70%
- 地球史上最大の絶滅イベント
🔥 主な原因とされる要素
- シベリア・トラップの超大規模火山活動
- CO₂・CH₄急増による温室効果
- 海洋の無酸素化・酸性化
- 生態系の段階的崩壊
この絶滅は「隕石一発」ではなく、数十万〜数百万年にわたる環境悪化の積み重ねと考えられています。
🧠 なぜペルム紀は特別なのか
- 古生代型生態系が完全にリセットされた
- 中生代(恐竜の時代)は、この「更地」から始まった
- 人類を含む哺乳類の祖先は、かろうじて生き残った系統
もしペルム紀末の大絶滅がなければ、「恐竜の時代」も「哺乳類の時代」も存在しなかった可能性が高いです。
🧩 まとめ
- ペルム紀は石炭紀の延長ではなく、環境と生物戦略が根本的に変わった時代
- その終焉は、地球史最大の大量絶滅という「境界」として明確
- 古生代を終わらせ、中生代への舞台を用意した決定的な時代