新生代の後半戦 - 新第三紀とは
🧭 はじめに
新第三紀(Neogene)は、新生代のちょうど中盤にあたる時代で、現代につながる地球環境・生態系・生物相が本格的に完成へ向かう時代です。 この記事では、新第三紀がどのような時代だったのかを整理したうえで、なぜ古第三紀と区分されるのか(何が決定的に違うのか) を中心に解説します。
🕰️ 新第三紀の基本情報
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年代:約 2300万年前 〜 258万年前
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新生代の中での位置
- 古第三紀(6600万年前–2300万年前)
- 新第三紀(2300万年前–258万年前)
- 第四紀(258万年前–現在)
新第三紀の内訳
- 中新世(約2300万–533万年前)
- 鮮新世(約533万–258万年前)
新第三紀までは「地質時代」としての区分で、第四紀からは人類史との結びつきが急激に強まる。
🌡️ 新第三紀の地球環境 ― 決定的な転換点
1️⃣ 気候:温暖な地球から寒冷な地球へ
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古第三紀後半までは温暖な地球(温室地球)
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新第三紀に入ると、
- 南極氷床が安定化
- 全球的な寒冷化・乾燥化
- 気候の季節性が強まる
現在の「寒冷期と氷期が交互に来る地球」の原型がこの時代に完成した。
2️⃣ 大陸配置:ほぼ現代と同じに
新第三紀には、大陸の形と位置がほぼ現在と同じになります。
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アフリカがユーラシアに衝突 → アルプス・ヒマラヤ造山運動
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南北アメリカが接続(パナマ地峡の形成)
- 大西洋と太平洋の分断
- 海流の再編成(寒冷化を加速)
パナマ地峡の成立は、海流だけでなく生態系の分断・再編を引き起こした。
🦁 生物の変化 ―「現代型生態系」の完成
1️⃣ 森林から草原へ
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気候の乾燥化により、
- 熱帯雨林が後退
- 草原(サバンナ・ステップ)が拡大
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C4植物(イネ科など)が繁栄
2️⃣ 哺乳類の進化が加速
- 草食動物:ウマ、シカ、ウシの祖先が多様化
- 肉食動物:ネコ科・イヌ科が台頭
- 海洋:クジラ類が完全な海生生物に
「恐竜のいない世界」で、哺乳類がサイズ・生態ともに主役になった時代。
🧠 人類進化への布石
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鮮新世後半:
- アフリカで初期のヒト族が登場
- 二足歩行の定着
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これは新第三紀の気候変動と草原化が直接の背景
人類は新第三紀の「不安定で変動する環境」への適応の産物。
🔍 なぜ古第三紀と新第三紀は分けられるのか?
結論:地球の「モード」が変わった
古第三紀と新第三紀の違いは、単なる年代差ではありません。
🔑 決定的な違い
| 観点 | 古第三紀 | 新第三紀 |
|---|---|---|
| 気候 | 温室地球 | 寒冷・変動地球 |
| 大陸配置 | 移動途中 | ほぼ現代 |
| 生態系 | 原始的森林中心 | 草原+現代型 |
| 主役 | 適応放散直後の哺乳類 | 完成形の哺乳類 |
| 人類 | まだ存在しない | 進化が始まる |
古第三紀と新第三紀を一括りにすると、「現代地球がいつ成立したか」が見えなくなる。
🧩 新第三紀の位置づけ
- 古第三紀:大量絶滅後の「回復と実験」
- 新第三紀:現代への「収束と完成」
- 第四紀:人類という例外的存在の時代
🏁 まとめ
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新第三紀は、現代の地球・生態系・人類史の土台が完成した時代
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古第三紀との区分は、
- 気候
- 大陸配置
- 生態系構造 という「地球システム全体の転換」を反映している