📊 CL2が一番難しい理由
🧭 はじめに
このページでは、Capability Levelの中でも CL2(Managed)で多くの組織が立ち止まる理由 を掘り下げる。 CL1→CL2は、単なるレベルアップではない。 「個人の仕事」から「組織の仕事」へ移行できるかどうか という、構造転換点である。
🏗️ 背景・前提:なぜCL1から先に進めないのか
実務の現場では、CL1は比較的簡単に満たされる。
- 開発は回っている
- 成果物は出ている
- ベテランが現場を支えている
それにもかかわらず、CL2で止まる組織が非常に多い。 理由は単純で、CL2は技術力ではなく、組織の覚悟を問うから である。
CL2は作業の質ではなく、統治の質を評価する段階である。
🧩 CL2で初めて現れる「管理責任」
CL1では、結果が出ていれば責任は曖昧でも成立する。 しかしCL2では、次の問いが必ず突きつけられる。
- 誰がこのプロセスの責任者か
- 進捗・品質をどう把握しているか
- 問題が起きたとき、誰が是正判断をするのか
ここで多くの組織が躓く。
「みんなでやっている」「現場でうまく回している」は、
CL2では説明にならない。
CL2は、責任の所在を明示することを避けられない。
🧠 現場依存から抜けられない構造
CL1が長く続いた組織ほど、次の状態に陥りやすい。
- 暗黙の了解で回っている
- 問題はベテランが吸収している
- 管理は「邪魔なもの」と見なされる
この構造では、管理を導入した瞬間に摩擦が生じる。
CL2を現場への不信として導入すると、
必ず反発が起きる。
CL2の本質は現場否定ではない。 現場の判断を、組織として再現可能にすること である。
🧱 「管理されている」が意味する本当のこと
CL2で求められる「管理」とは、監視や締め付けではない。
- 計画があり
- 状態が見えていて
- 逸脱に対して判断できる
という、意思決定が成立する構造 を持つことを意味する。
CL2が成立すると、問題が起きても説明できるようになる。
これは責任追及ではなく、組織防衛である。
🧠 なぜCL3よりCL2の方が難しいのか
一見すると、CL3(Defined)の方が高度に見える。 しかし実務では逆になることが多い。
理由は明確で、 CL3はCL2の延長線上にしか存在しない からである。
- CL2で責任と可視性が確立していれば
- それを言語化・標準化するだけでCL3に近づく
CL3は整理のフェーズであり、
CL2は覚悟のフェーズである。
CL2を曖昧なままCL3に進もうとすると、 形式だけの標準が量産され、現場と乖離する。
🧾 まとめ:このページで伝えたい一点
CL2が一番難しい理由は、 技術や手順ではなく、責任と意思決定の所在を明確にする段階だから である。
CL1からCL2への移行は、 「優秀な現場」から「説明できる組織」への転換点であり、 A-SPICEが本気で 組織を見る理由 が最も露わになる場所でもある。
この壁を越えられるかどうかが、 A-SPICEを「通すだけの規格」にするか、「使える規格」にするかを分ける。