Raspberry Pi 4に入れるならどっち? Raspberry Pi OS vs Ubuntu 徹底比較
📖 はじめに
Raspberry Pi 4は小型PCとして多彩な用途に使えますが、最初の選択として避けて通れないのが「どのOSを入れるか」。
公式のRaspberry Pi OSにするのか、それともおなじみのUbuntuにするのかによって、操作感や使い勝手、性能まで変わってきます。
ここでは両者の違いと選び方のポイントを整理します。
🏛 背景:なぜ2つの選択肢があるのか
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Raspberry Pi OSは、Raspberry Pi財団が公式サポートしているDebianベースのOS。ハードウェアに最適化されており、教育用途や電子工作向けのツールがあらかじめ揃っています。
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UbuntuはCanonical社が開発する人気ディストリビューションで、サーバーやデスクトップ環境に広く使われています。Raspberry Pi向けに専用ビルドが提供されており、一般的なLinuxアプリやパッケージの互換性が高いです。
⚙️ パフォーマンスと最適化
Raspberry Pi OS
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Raspberry Pi専用にカーネルやドライバがチューニングされており、軽量・高速
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4GBモデルでも十分軽快に動作
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GUI(LXDE系)が軽く、省メモリ設計
Ubuntu
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Ubuntu Server版は軽いが、Desktop版はGNOME標準でやや重い
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同じPi 4でもメモリ4GBでは快適さが落ちる場合がある(特にブラウザや複数アプリ同時使用時)
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最新パッケージ利用が可能だが、Pi固有の最適化は少なめ
🖥 ユーザー体験とUI
Raspberry Pi OS
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シンプルで教育用に配慮されたUI(LXPanel + Openbox)
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初心者向けにわかりやすい設定ツールが多数
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標準でChromium、Python、Scratchなどが同梱
Ubuntu
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デスクトップ版はGNOME(または他のフレーバー)で、見た目がモダン
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一般的なLinuxデスクトップと同じ感覚で使える
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最初から開発・サーバー管理に向いたツールが豊富
📦 パッケージとソフトウェア互換性
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両者ともAPTで管理可能だが、ベースが違う
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Raspberry Pi OS → Debian Stable(安定重視)
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Ubuntu → Debian Testing/Unstable相当(新しめのパッケージ)
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Raspberry Pi向けハード制御ライブラリ(
RPi.GPIO
など)はPi OSの方がすぐ動く -
Ubuntuでも動くが、追加設定やバージョン調整が必要になる場合がある
🔒 サポートとアップデート
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Raspberry Pi OS → 長期安定性重視、ハードウェアサポートが公式直結
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Ubuntu → LTS版は5年間サポート、新機能の取り込みは早い
📊 選び方の目安
用途 | おすすめOS | 理由 |
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電子工作・教育 | Raspberry Pi OS | 軽量・公式サポート・GPIO関連が即利用可能 |
サーバー運用 | Ubuntu Server | パッケージ新鮮度が高く、クラウドや他Linux環境との互換性が高い |
デスクトップ用途(軽快さ重視) | Raspberry Pi OS | GNOMEより軽量なUI |
デスクトップ用途(見た目・機能重視) | Ubuntu Desktop | 他のPCと同じUI・操作感 |
💡 まとめ
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軽さ・Pi固有機能重視 → Raspberry Pi OS
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他のLinux環境と同じ操作性・新しいパッケージ → Ubuntu
Raspberry Pi 4の4GBモデルでUbuntu Desktopを使う場合は、軽量フレーバー(Xubuntu, Ubuntu MATE)を選ぶと快適性が向上します。