メインコンテンツへスキップ

シリアル通信とパラレル通信

📖 はじめに

電子工作やコンピュータの世界では、データをやり取りする方法としてシリアル通信パラレル通信がよく登場します。
ここでは、基本概念からメリット・デメリット、代表的な用途までを整理します。


🔍 シリアル通信とは

1ビットずつ順番に送る方式です。
データの流れは水道のパイプを1本だけ使うようなイメージで、ビットが1列に並んで流れていきます。

特徴

  • 少ない配線で済む(1本のデータ線+クロック線など)

  • 遠距離通信に強い(ノイズの影響を受けにくい)

  • 速度はパラレルより遅くなりがち(1ビットずつ送るため)

代表例

  • UART(シリアルポート)

  • SPI、I²C

  • USB

  • ネットワーク通信(Ethernet内部もビットは直列転送)

74HC595の「シリアル入力」は、データ線 (SER) から1ビットずつ受け取る動作のことです。


🖥 パラレル通信とは

複数ビットを同時に送る方式です。
道路の複数車線を同時に使って一気にデータを運ぶイメージ。例えば8ビットなら8本の信号線を使って、1クロックで8ビットをまとめて送ります。

特徴

  • 高速転送が可能(同時送信)

  • 回路がシンプル(受信側は同時にビットを読み取るだけ)

  • 配線が多く、距離が長いと信号がずれる(スキュー)問題が発生

代表例

  • コンピュータ内部のメモリバス

  • 古いプリンタのパラレルポート(IEEE 1284)

  • 液晶パネルへのデータ転送(RGBパラレル)

74HC595の「パラレル出力」は、内部レジスタに溜めた8ビットをQ0〜Q7の8本のピンから一斉に出す動作のことです。


⚖ 比較表

項目 シリアル通信 パラレル通信
データ転送 1ビットずつ順に 複数ビットを同時に
配線数 少ない 多い
長距離通信 有利(ノイズに強い) 不利(信号ズレが発生)
速度 同クロックなら遅め 同クロックなら速い
コスト 低い(線が少ない) 高い(線が多い)
用途例 USB、SPI、I²C メモリバス、LCD接続

💡 まとめ

  • シリアル通信は「細い道を長く使う」、配線が少なく長距離向き

  • パラレル通信は「広い道を短く使う」、高速で短距離向き

  • 74HC595は、このシリアル入力 → パラレル出力の変換をしてくれるIC