IPv6とIPアドレス枯渇問題
🌐はじめに:IPアドレスと枯渇問題
✅ IPアドレスとは
インターネット上の住所。全ての機器(PC、スマホ、サーバなど)が通信するために必要。
💣IPv4が抱えた限界
🔢 IPv4のアドレス数
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IPv4は32ビット → 2³² ≒ 43億個
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一見多そうだが、以下の理由で実際は足りない:
😢 アドレス消費の例
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企業・大学が早期に大量確保していた(クラスA: 1600万個単位)
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一部は予約済み(プライベートアドレス、マルチキャストなど)
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IoT、スマホ、クラウドなどで機器の数が爆発的増加
現在、新しいIPv4アドレスは世界的に枯渇状態。既存のアドレスの再利用・転売が行われている状況。
🌱IPv6の登場:桁違いの余裕
🔢 IPv6のアドレス数
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128ビット → 2¹²⁸ ≒ 340澗(がん)個
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宇宙にある砂粒より多いと言われる数
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一人ひとりが地球上の全生物にIPアドレスを割り振っても、まだ余るレベルの数
🔓なぜIPv6ならNATが不要なの?
✅ NATはそもそも「IPアドレス不足」の解決策
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IPv6ではグローバルIPを機器ごとに1つ割り当てられる
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NATで複雑な変換やポート管理をしなくても済む
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結果として:
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P2P通信が容易になる
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セキュリティや通信の透明性が向上
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ポートフォワーディングやUPnPの手間が減る
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✨IPv6での通信の理想像
項目 | IPv4(+NAT) | IPv6 |
---|---|---|
IPアドレス | 機器単位にない(共有) | 各機器にユニークなグローバルIP |
NAT | 必須 | 不要 |
直接通信(P2P) | 困難(ホールパンチなど必要) | 容易 |
アドレス管理 | 面倒(再利用・ポート競合) | シンプル |
🧠とはいえ:IPv6時代でもNATが完全に消えるわけではない
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運用上の都合でNAT相当の技術(NAPT66など)を使うこともある
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セキュリティ目的でIP非公開にしたいケースも
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多くの現場では**IPv4とIPv6の併用(デュアルスタック)**が継続中
IPv6の普及率は国やISPによってバラバラで、完全移行はまだ時間がかかる
🔚まとめ:IPv6がもたらす未来
IPv6は、「IPアドレスが足りないから苦肉の策でNATを使う」という根本問題を解決するインターネットの再設計です。
アドレスに余裕があることで、ネットワーク設計がシンプルになり、P2P通信やIoTの自由度が向上します。