物理法則の導入
⚙️ はじめに
本記事では、「観測革命」で露わになった事実群に対し、それを統一的に説明するために導入された「物理法則」を扱う。
結論から言えば、この章の主役はケプラーとニュートンである。
すなわち、
- ヨハネス・ケプラー:観測事実から法則を“引き出した”人物
- アイザック・ニュートン:その法則を物理として“説明した”人物
である。
ただし順序としては、まずケプラー、次にニュートンでなければならない。
🌪️ 観測革命の「次の壁」
🔭 見えたが、理解できない
ガリレオによって、
- 月が地球と同質である
- 木星に衛星がある
- 金星が満ち欠けする
ことは明らかになった。
観測は天動説を破壊したが、
地動説を“納得可能な世界像”にするには至っていなかった。
📐 ケプラー:法則は観測から生まれる
🧠 発想の転換
ケプラーの立場は、当時としては異端的だった。
- 円運動への執着を捨てる
- 宇宙の「美しさ」より、観測との一致を優先する
🪐 ティコ・ブラーエの観測データ
ケプラーが拠り所にしたのは、
肉眼観測としては極限まで精密化されたティコ・ブラーエのデータだった。
📏 ケプラーの三法則
このデータ解析から導かれたのが、以下の経験法則である。
- 惑星の軌道は楕円で、太陽は焦点にある
- 面積速度は一定
- 公転周期の二乗は軌道長半径の三乗に比例
重要なのは、
これらが一切の力学的説明を伴っていない点である。
⚠️ ケプラーの限界
ケプラー自身は、
- なぜ楕円になるのか
- なぜ速度が変わるのか
を説明できなかった。
ここで初めて、
観測 → 数学 → 物理という次の段階が要請される。
🧠 ニュートン:天と地を同じ法則で縛る
🌍 革命の本質
ニュートンの最大の革新は、
天体と地上を同一の力学で説明したことにある。
これにより、
- 天上界/地上界の断絶
- 円運動は特別という思想
が完全に崩壊する。
📜 運動の法則
ニュートンはまず、
- 慣性
- 力と加速度
- 作用・反作用
という運動の基本法則を定式化した。
🌌 万有引力という統一原理
そして決定打が、万有引力である。
- すべての質量は互いに引き合う
- 距離の二乗に反比例する
しかしこの法則により、
- ケプラーの三法則が数学的に導出可能
- 惑星運動と落体運動が完全に統一
される。
🔄 物理法則導入の意味
🧩 世界の理解が変わった
ここで起きた変化は、
- 観測:事実を与える
- 数学:構造を与える
- 物理法則:理由を与える
という役割分担の確立である。
⚖️ それでも残る課題
ただし、
- 引力は仮定された法則
- 機構は不明
という点は、次の時代へ持ち越される。
🌱 次章への接続:宇宙が一つに縛られた瞬間
物理法則の導入により、
天文学は初めて「宇宙全体を貫く原理」を手に入れた。
次章では、その核心である
➡️ 万有引力と宇宙
を、
「どこまで説明でき、どこから破綻が始まるのか」という視点で掘り下げる。