CANoe 初期設定とCAN信号送受信手順書
📌 はじめに
本手順書は、CANoeを初めて利用する方向けに、特定のCAN信号を送信し、その反映を確認する までの流れをまとめたものです。CANインターフェイス接続からソフトの設定、送受信の確認方法まで、マニュアルの該当部分を抜粋して整理しています。下記の公式マニュアル「はじめてのCANoe」をベースに作っています。
https://cdn.vector.com/cms/content/know-how/VJ/PDF/CANoe_ForBeginners_A4.pdf
🖥️ 1. 準備するもの
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CANoe がインストールされたPC
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ライセンスキャリア(USBキー等)
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Vector製CANインターフェイス(例:VN1610, VN1630Aなど)
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終端抵抗付きCANケーブル(CANcable 1推奨)
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テスト対象のCANバス、またはECU
【情報】CANバスは必ず両端に120Ωの終端抵抗が必要です。
🔌 2. ハードウェア接続
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VectorインターフェイスをPCへ接続
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インターフェイスのCANチャネル(例:CH1)をテスト対象バスに接続
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終端抵抗を正しく入れていることを確認
参考ページ:p6-p9
⚙️ 3. Vector Hardware Manager 設定
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CANoeを起動
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[ハードウェア] → [ネットワークハードウェア] を開く
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接続したインターフェイスが認識されていることを確認
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Application Channel に「CAN1」などを割り当てて [Deploy]
参考ページ:p11-p14
📡 4. 実バスに接続して受信確認
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[ファイル] → [新規コンフィギュレーション]
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テンプレートから
CAN_500kBaud_1ch
を選択(通信仕様に応じて後で修正可) -
[ハードウェア] → [ネットワークハードウェア] からボーレートを設定(例:500kbps)
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必要に応じてデータベースファイル(.dbc)を割り当てる
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F9キーで測定開始
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[Trace Window] にCANフレームが流れていることを確認
Trace Windowにフレームが表示されれば受信成功です。
参考ページ:p17-p22
📤 5. CAN信号の送信
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[シミュレーション] → [シミュレーション設定]
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赤青二重線上で右クリック → [CANインタラクティブジェネレーターを挿入]
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[CAN IG] ブロックを開き、送信フレームを追加
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データベースあり → .dbcからフレーム選択
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データベースなし → IDとDLCを手入力
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トリガー方式を選択
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手動送信(キー操作で送信)
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周期送信(指定msごとに送信)
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条件付き送信(特定の受信フレームやシステム変数で発火)
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測定を開始し、送信フレームが Trace Window に表示されることを確認
送信したフレームがTrace Windowに反映されれば送信成功です。
参考ページ:p23-p26
📝 6. ログの記録(任意)
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測定設定Windowの「ログブロック」を有効化
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保存先とファイル名を設定
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測定を開始すると送受信した全フレームがログファイルとして記録可能
✅ ゴール確認
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Trace Window に 送信したフレームが表示される
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対象ECUが応答する場合、その変化も確認できる
👉 これで「特定のCAN信号を送信して、その値が反映されていることを確認する」基本フローが完了です。