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三畳紀 - 大量絶滅の後から恐竜の時代へ

🟢 はじめに

三畳紀(Triassic)は、約2億5200万年前から2億100万年前まで続いた地質時代で、中生代の最初の時代です。 最大の特徴は、**史上最大級の大量絶滅(ペルム紀末大量絶滅)からの「回復と再編」**がこの時代の主題である点にあります。 本記事では、三畳紀の環境・生物・地質の特徴を整理しつつ、なぜ三畳紀が古生代ではなく中生代に分類されるのかを軸に解説します。


🌋 三畳紀の時代背景:すべては「焼け野原」から始まった

🔥 ペルム紀末大量絶滅の直後

三畳紀は、約2億5200万年前に起きた**ペルム紀末大量絶滅(P–T境界)**の直後に始まります。

  • 海洋生物の約90〜96%が絶滅
  • 陸上脊椎動物も壊滅的被害
  • 生態系はほぼリセット状態

この絶滅規模は、恐竜絶滅(白亜紀末)を大きく上回る、人類史上最大の生物危機です。

🌍 超大陸パンゲアと極端な気候

  • 大陸はほぼすべてがパンゲアとして一体化
  • 内陸部は乾燥・高温、季節変動が極端
  • 浅海が少なく、海洋生物の回復が遅れた

この「過酷すぎる地球環境」が、三畳紀初期の生物相を強く制限しました。


🧬 三畳紀の生物:回復・実験・分岐の時代

🦎 陸上:爬虫類の大実験場

三畳紀は、爬虫類が爆発的に多様化した時代です。

  • 主竜類(恐竜・翼竜・ワニ類の祖先)が登場
  • 哺乳類の祖先(単弓類の一部)が生き残り、小型化
  • 両生類は一部で巨大化するが主役には戻れず

三畳紀は「恐竜の時代」ではなく、「恐竜が現れたが、まだ覇者ではない時代」です。

🦕 恐竜はまだ脇役

  • 最古の恐竜は三畳紀後期に出現
  • 生態系の主役は、当初はワニ型主竜類など
  • 本格的な恐竜支配は次のジュラ紀から

🐚 海洋:再編される生態系

  • 三葉虫は完全に絶滅(ここが重要)
  • アンモナイトが急速に再繁栄
  • サンゴ礁は「現代型サンゴ」に置き換わる

🪨 地質学的特徴:世界の作り直し

🌊 海洋と大陸の再構築

  • 浅海の拡大が遅れ、生物多様性は低空飛行
  • 中期〜後期にかけてリフト活動が活発化
  • 後の大西洋につながる亀裂が生じ始める

🧪 境界がはっきりしている

三畳紀は、地層・化石・同位体比のすべてにおいて境界が明確です。

  • P–T境界:生物種の激減
  • T–J境界:再び大規模な絶滅(火山活動由来)

三畳紀は「始まり」と「終わり」の両方が、地質学的に非常に分かりやすい時代です。


❓ なぜ三畳紀は「中生代」なのか?(古生代ではない理由)

🔑 結論を先に

三畳紀は「古生代の延長」ではなく、「新しい世界の試運転期間」だから中生代に分類されます。

🧩 分類の決定打は「生態系の断絶」

以下の点が決定的です。

1️⃣ 古生代型生物が戻らなかった

  • 三葉虫・古生代型サンゴ・多くの腕足類は復活しない
  • 「絶滅したまま」の生物群が多すぎる

2️⃣ 中生代型生物がここで出揃う

  • 主竜類(恐竜・翼竜・ワニ系統)
  • 現代的な海洋生態系の原型
  • 哺乳類系統の細いが確実な存続

3️⃣ 生態系の設計思想が変わった

  • 古生代:海中心・無脊椎動物優位
  • 中生代:脊椎動物主導・陸上拡張型

「恐竜が出たから中生代」ではありません。 本質は、生態系の“設計思想”が完全に切り替わった点にあります。


🔚 おわりに:三畳紀は「再起動のOS」

三畳紀は、繁栄の時代ではありません。 むしろ、

  • 壊滅した世界
  • 不安定な気候
  • 主役不在の生態系

という条件下で、次の2億年を支配する生物群が静かに選別された時代です。

恐竜の黄金時代も、哺乳類の台頭も、すべてはこの「地味だが決定的な準備期間」から始まりました。

三畳紀は、中生代という物語の静かな第一章なのです。