ハードディスクの構造とデュアルブートについて
🚀はじめに
WindowsとUbuntuのデュアルブートを構築しようとしたとき、「どこにインストールすればよいのか」や「なぜUbuntuを入れたらWindowsが起動しなくなったのか」といったトラブルに直面することがあります。この記事では、こうした混乱の原因となるブートレコードやディスクの構造(パーティション)について、わかりやすく整理します。
🧱ディスクの構造と部屋の割り振り(パーティション)
1. パーティションとは?
ハードディスクやSSDを複数の「部屋」に区切って使う仕組みです。これにより、WindowsとUbuntuを同じディスク上に「別々の空間」に共存させることが可能になります。
主な種類
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プライマリパーティション(Primary):最大4つまで作成可能。OSをインストールする領域。
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拡張パーティション(Extended):プライマリの1つを拡張パーティションにして、その中に複数の論理パーティションを作る方式。
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論理パーティション(Logical):拡張パーティションの中に作るサブパーティション。
GPTパーティション方式では、これらの制限が緩和されています。
2. MBRとGPT
MBR(Master Boot Record)
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昔ながらの方式。
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最大2TBまでのディスクに対応。
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最大4つのプライマリパーティション。
GPT(GUID Partition Table)
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UEFIとセットで使われる現代的な方式。
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128個以上のパーティションが可能。
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2TB以上の大容量ディスクも対応。
最近のPCではGPT + UEFIが主流です。可能であればWindowsもUbuntuもGPT形式で統一するのがおすすめ。
🧭ブートレコードと起動の仕組み
1. BIOS/UEFIとブートローダー
PCの電源を入れたときの流れ:
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BIOSまたはUEFIが起動。
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ブートローダー(Windowsならbootmgr、LinuxならGRUB)を探す。
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OSを起動。
2. GRUB(Ubuntuのブートローダー)
Ubuntuをインストールすると、自動的にGRUBというブートローダーがインストールされます。GRUBは以下のように振る舞います:
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起動時にUbuntuかWindowsのどちらを起動するか選択できるメニューを表示。
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GRUB自体はEFI領域(GPT)またはMBRの最初のセクタに置かれる。
Ubuntuのインストーラで「GRUBのインストール先」を間違えると、Windowsが起動しなくなることがあります。
🛠️デュアルブート環境の構築時の注意点
✅おすすめの手順
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先にWindowsをインストール(またはプリインストールされた状態で保持)。
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Windowsのディスク管理で「未割り当て領域」を作っておく。
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Ubuntuをインストールし、その未割り当て領域にインストール。
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GRUBのインストール先を確認(通常は
/boot/efi
があるEFIパーティション)。
Ubuntuのインストーラーが自動でGRUBの場所を正しく認識していれば、そのままでOKです。心配なら手動で「EFIシステムパーティション」を選ぶと安全。
❌やってはいけないこと
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WindowsのあるパーティションをUbuntuで上書きしない。
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GRUBのインストール先をUSBや別ディスクにしてしまう(後で起動できない原因に)。
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BIOSとUEFIが混在している状態(WindowsがUEFIで、UbuntuをBIOSモードで入れるなど)。
BIOSモードとUEFIモードが混ざると、片方のOSがブートできないことが多いです。
🔧万が一のトラブルと復旧
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GRUBが壊れた → UbuntuのインストールUSBで起動し、
boot-repair
ツールを使うと復旧できる。 -
Windowsが起動しない → Windowsインストールメディアで「スタートアップ修復」を実行。
デュアルブート環境では、Ubuntuのアップデートや再インストールでGRUBが再構成されることがあるので、GRUBの挙動は注意深くチェックしましょう。
📝まとめ
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ディスクはMBRよりもGPTが推奨される時代に。
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デュアルブートではパーティションの構成とGRUBのインストール先が成功の鍵。
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万が一のトラブルには復旧手段を事前に準備しておくと安心。